藍先輩の危険な溺愛レッスン。
でも、敢えて説明することもないのかも。


先輩と私だけの秘密にしておこう。


「あーあ、私も年上を好きになればよかったな」


瑠夏ちゃんがため息混じりにそう言ったからドキッとした。


「瑠夏ちゃん?」


「あ、うそうそ。今の無し」


彼女の頬が朱に染まっていて可愛かった。


今の発言はまるで今誰かに恋していますって暴露しちゃったも同然だよね。


「瑠夏ちゃん」


繋いでいた手に力を込めた。


「私は瑠夏ちゃんの味方だよ。瑠夏ちゃんの恋を応援するからね」


「愛菜……」


彼女は目を見開いて私を見つめる。


「……ありがとう、でもたぶん向こうは私なんて眼中にないから」


「そうかな」


「うん、可愛いらしくて守ってあげたくなるような女の子が好きみたい。だから私なんて論外だと思う」


俯きながら寂しそうに言う。


「そんなことないと思うんだけど」
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