藍先輩の危険な溺愛レッスン。
まだ当惑気味の中島くんの背中を無理やり押した。
「ちゃんと自分の気持ち伝えろよ」
杉本くんが咄嗟に言ったその言葉に中島くんは小さく頷いて走り出した。
でも瑠夏ちゃんの姿は人込みに消えてしまったからちゃんと見つけられるかどうか不安。
「私達も追いかけよう」
「え?佐倉さん、でも……」
戸惑う杉本くん。
「あんまり邪魔しないほうが」
「はやく」
杉本くんの腕を強くひっぱった。
「わ、わかった」
私の剣幕に押されたように杉本くんはうなずいた。
それから私達も瑠夏ちゃん達を探しに人込みの渦の中へ向かって走り出した。