藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「わっ」
「おお」


私と杉本くんはほぼ同時に驚きの声を上げた。


まさかの光景が目にとびこんできたから。


中島くんが瑠夏ちゃんの頭を優しく撫でてから彼女の耳元でなにか話しているみたい。


しかもよくよく目を凝らしてみると、中島くんは瑠夏ちゃんの背中に腕を回して大切に守るようにして歩いている。


こ、これは……思いもよらなかった展開。


見ているこっちが赤面するくらいに、イチャイチャしてる。


「雨降って地固まるだね」


「だね」


私と杉本くんはホッとして、顔を見合わせる。


「でもどうしよ、このままだと」


「隠れよう」


せっかく盛り上がってるみたいなのに私達が現れたらまずいかもって思った。


なにせ、2人とも意地っ張りって言うか照れ屋って言うか。


杉本くんもそう思ったみたいで、もときた道を引き返そうとした。
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