藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「はあ?どこにもいないじゃん。振られちゃったんじゃないの?」


「違います、離して」


男の人の腕を振り払おうとしたけどビクともしない。


どうしよう、こんなところでグズグズしている暇なんてないのに。


その時。


遠くから確かに聞こえたその声……。


「藍先輩……」


「彼女、どうしたの?俺らと遊ぼうぜ」


「ごめんなさい、彼氏が迎えに来てくれたから私行きます」


きっぱりとそう言って睨んだら、一瞬怯んだような男の人達。


その隙に腕を引きはがした。


ペコッと頭を下げてその声が聞こえた方へ顔を向け駆け出した。


「え、ちょっと待ってよ。」


男の人の一人が追いかけてこようとしたみたいだけど、酔っぱらっているせいか足がもつれている。


「うわっ」


「おいなにやってんだよ、しっかりしろって」


今のうちだ。
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