藍先輩の危険な溺愛レッスン。
思い切り首をふると鞄の中からあるものを取り出した。


「先輩、これ約束の。今日のお礼です。じゃ、じゃあまたっ」


先輩の方を見れなくてドキドキしながら手渡した。


「おう。ありがと」


先輩がお礼を言い終わらないうちに顔も見ないで走りだした。


これ以上この場にいたらまたどんな墓穴を掘ってしまうかわからない。


猛ダッシュで自分のクラスの教室を目指してその場から逃亡した。


「愛菜ちゃんっ」


だけど、すぐに先輩の声に立ち止まりおずおずと振り返る。


「今夜も行くから待ってて」


先輩はよく通る大きな声で叫んだ。


「……」


ヒーッ、こんなところでなんて意味深なことを言ってくれてるの？


権田さんは青ざめて、ガックリ肩を落とした。


たぶん、今の先輩の発言がトドメを刺したんだろう。


あっ。
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