藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「男が怖いって?だったら俺にまかせて」


「はあ」


「手とり足とり教えてあげる。愛菜ちゃんが男に慣れるように」


自信ありげな口ぶりだけど、爽やかな笑顔で言われると嫌味がない。


「……」


「安心して、優しくするから」


彼はいつのまにか私の近くに来て中腰になって下から覗きこんできていた。


「どう?一緒に頑張れる?」


先生が生徒に言うような。


あるいは兄が妹に言うような。


はたまた母が子に言うような。


彼の眼差しは混じり気のない慈愛と親切心に溢れているように感じた。    


コクリと息を呑み込んで彼を見つめ返した。


こんな人を一瞬でも怖いだなんて思った自分は間違っていたのかもしれない。


ゆっくりと頷いた。


その綺麗な笑顔をすんなり信じても大丈夫なのかな。


でも、信じてみたい。


「よ、よろしくお願いします」


「うん、よろしくね」
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