藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「報酬って?」


「えっとね、お昼ご飯のお弁当だよ」


そうそう、さっき私が先輩に渡したのはお弁当なんだ。


先輩のために特別に冷めても美味しい昼食のお弁当を作る約束なんだ。


つまり、先輩が私のことを守ってくれる代わりにお昼ご飯を提供するって言うギブアンドテイクな関係。


母は毎朝のように痴漢やストーカーにあっている私のことをお店の常連さんの藍先輩に相談した。


いつのまにか私の知らないところで、母と先輩とのあいだでそういう算段になっていた。


「愛菜んちのお母さんのお弁当屋さんすっごく美味しいもんね。自然食品だっけ?」


彼女はぱっと顔を輝かせる。


「うん、先輩もねうちのお弁当の味を気に入っててくれて」


「そうなんだ、それがきっかけで仲良くなったの?」
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