藍先輩の危険な溺愛レッスン。
だってこんなに傍にいて目を開けていられたらきっと恥ずかしくてたまらないよね。


そう思ってその重さに耐えていたら、ふと見覚えのある顔に気が付いた。


先輩のななめ後ろにいる黒縁眼鏡の高校生。


真面目そうな雰囲気だけど、結構な確率で朝の満員電車で出くわしたことがある。


そして、この人が近くにいるときにかぎって何度かおしりを触られたことがあって……。


私はひそかに彼が痴漢なんじゃないかなって疑っている。


だけど、確証はないしおお声で誰かに助けを求めることもできなくていつも我慢していた。


だから、今日は藍先輩にお願いしてこうして付き添ってもらっているんだけど。


だけど、先輩寝てるし全然頼りになりそうにないな。


どうしよう、眼鏡の彼がじっとこっちを見ている。
< 5 / 332 >

この作品をシェア

pagetop