藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「な、なに言ってるのよ」


「そうやって、俺のことも他の奴らと同じだと思ってんだろ」


「え」


強く言われて彼女が一瞬だけ怯んだように見えた。


「昔はもっと、俺に何でも話してくれたのに。今は全然俺に頼ろうとしないよな」


「ちょっ、やめてよ。そんな話」


瑠夏ちゃんは珍しくカッーと頬を赤らめた。


あれ、これってどういう状況なんだろ。


「もういいよ、佐倉さっきの話考えとけよな」


彼は憮然とした顔でそう言ってから、走って教室へ戻って行った。


後に残されたのは、目が点になっている私と顔を赤らめる瑠夏ちゃん。


「なによ、あいつわけわかんない。言いたいことだけ言って。
だから男なんて嫌い」


「あ、あのさ瑠夏ちゃん、中島くんは他の男子とは違うんじゃないかな」


だって明らかに瑠夏ちゃんのことを心配しているみたいだし。


「違わないよ、見たでしょ?愛菜に対する態度。誘ってきたりしていやらしい」


「ええ、それは違うってば」


中島くんは親切心で私を男子に慣れさせようとしているだけのように見えたけど。
< 59 / 332 >

この作品をシェア

pagetop