藍先輩の危険な溺愛レッスン。
自分のスマホを私の手からひょいと掴み上げると彼は意味深に眉を上げた。


「部屋で待ってるね」


瞳を細めていたずらっぽい笑顔になる先輩。


い、嫌な予感しかしないー。


ますます顔が熱くなってその場に固まる私に対して、先輩はいたって余裕そうに私を見つめかえしたのだった。





「はあ、どうしよっ」


マンションのエレベーターで8階まで上がると深いため息がでた。


先輩のお部屋は807号室の角部屋。


手には先輩の分と自分の分のお弁当を持っていた。


あの後、母にやっぱり恥ずかしいから嫌だって言ってみたんだけど全然とりあってくれなかった。


『どうして?藍君いい子じゃない。変に意識して避けたりしちゃ可哀そうよ』

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