藍先輩の危険な溺愛レッスン。
あれ、勝手に口が動いてはい、しか言えなくなったみたい。


私どうしちゃったんだろ。


身体も痺れて動けないのに、なんだか安心感があって。


こんなの不思議だけど、幸せな気分で夢見心地なんだ。


「本当にこのまま俺のものにしてもいいんだね?」


「……」


先輩の演技はまだ続いているみたいだけど、私はもう白旗を挙げていた。


まあ、いいか。


最後まで抵抗出来なくて、ぐずぐずになっちゃったけど。


あとで、先輩にお説教されたら謝ろう。


私にはまだ難しいですって言おう。


大丈夫だよね。


先輩は、結局優しいから。


次に目を開けたら彼の整った顔がすぐ近くにあった。


頬を優しく撫でる指先をうっとり見つめる。


「ほんとにいいの?」


なんのことを言ってるのかわからない。


けれど無意識に頬が緩む。
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