藍先輩の危険な溺愛レッスン。
彼の瞳が余裕なさげに揺れたかと思ったら顔が近づいてきて。


「ンッ」


甘く唇を塞がれてしまった。


これは夢なのかと思うほど現実感がなくて頭がフワフワしていた。


あれ?どうして?


先輩と私の唇が触れ合っているの?


でも、どうして?


全然嫌じゃないんだろう。


柔らかな唇は触れたと思ったらすぐに離れていった。


男の人も唇って柔らかいんだ。
ぼんやりそんなことを思ったりして。


彼は起き上がり私をあっさり手放した。


「はあっー、やばい」


ベッドの端に座り頭を抱えている。


「もうちょっとで、壊れそうだった」


私もゆっくり起き上がり彼に尋ねた。


「何がですか?」


「理性が……」


「えっ?」


「愛菜ちゃんがあんまり可愛いくて、本気になっちゃいそうだった」


そう言うと彼はハハッて困ったように笑った。
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