藍先輩の危険な溺愛レッスン。
わからない気持ち
「まーなちゃん、まだ怒ってるの??いい加減機嫌直しなよ」
あの後、家まで送ってもらうために夜道を一緒に歩いていた。
母のお店から自宅までは歩いて15分くらいの距離がある。
「ほら」
先輩は振り返って手を差し出してきた。
柔らかく微笑むからうっかり頬が緩む。
どうにも照れくさくて彼の顔が見れない。
だから、言葉数も少なくなっていた。
先輩は私が拗ねてると勘違いしてるみたい。
「手なんて繋ぎませんから」
「どうして?これも男慣れするためだよ」
「で、でも……」
夜とはいえ家の近所で手を繋いで歩くなんて恥ずかしい。
それにさっきのスキンシップの時の感触が身体のあちこちに残っていて。
身体中がほてっているのを気が付かれたくない。
きっとまたからかわれるに違いないから。
「練習、練習」
「……」