運命が変えた一夜 ～年上シェフの甘い溺愛～

電話を切ってから気まずそうに悟を見る綾乃。
「支度して。送ってく。」
代わりに悟が口にすると申し訳なさそうに少し瞳を潤ませながら綾乃は謝った。

「いいんだよ。仕事なんだから。それより俺は綾乃の体が心配だけど。」
「私は大丈夫。でも、せっかく作ってくれたのに・・・。」
料理を見ながらさらに瞳を潤ませる綾乃に「食べやすいようにするから、車で食べていきな。」とたすけぶねを出す悟。

自分の部屋に戻り支度をする綾乃。
その間に悟は作った料理を車の中で食べられるように、まとめ始める。

フランスパンを一口大にカットし、スープをスープジャーにいれる。
料理をしながら無事に綾乃が仕事を終えられるように願いを込める。

顔色が悪い綾乃。
仕事先で大丈夫なのだろうか。
支えなしで、転ばないだろうか。
倒れないだろうか。
いつも心配で気が気じゃない。