運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
仕事中、綾乃はよく悟にメールをする。
心配しているだろう悟を安心させたいという思いと、帰宅するときに一度電車で帰宅したら珍しく悟に叱られたことがあり、帰宅時間の予定を伝えるためだ。

『20時から打ち合わせになりました。多分23時過ぎになるかと思います。』
仕事中の綾乃からのメールはいつも敬語で、悟は彼女らしいと微笑みながら仕事の合間に観ていた。

レストランでの空き時間も、今はすべての時間を綾乃に注いでいる悟。
本当はもっと時間をかけたい。でも、子供も綾乃も支えていくためには仕事もおろそかにできないと、打ち込んでいる。

『了解。無理しないように。今夜は何が食べたい?』
『さっぱり系がいいです』
夕飯のリクエストを聞くのも、料理人として燃える。

『了解!お楽しみに!』
同じように仕事中の悟とのメールで綾乃は少し頬が緩んでしまうくらい、幸せを感じられる瞬間をもらっていた。
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