運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
仕事が終わり時計を見るとすでに24時を回っていた。
打ち合わせ中に見ることができなかった携帯電話を見ると、悟からのメールが入っていた。

『仕事、お疲れ。会社の裏で待ってます。ゆっくり焦んないで来いよ!』
メールが入っていたのは23時。
すでに1時間も待たせてしまっている。

綾乃はすぐに帰宅準備をして、会社を出た。

「ゆっくりでいいから」
先にメールをして、綾乃が出てくることを知っていた悟は車から降りて待っている。
急ぎ足の綾乃に、歩み寄りながら悟が微笑む。
「お疲れ。」
綾乃の荷物を預かる悟も少し疲れた顔をしている。

「ありがとう。待たせてごめんね。」
「いや、ちょうど時間ができてよかった。いろいろ調べる時間できたから。」
少しの時間でも勉強する悟。妊娠期間特有の配慮や、つわり中に食べられたものなどの体験談を読み漁るのが空き時間の楽しみでもあった。
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