運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
つわりも落ち着き、いろいろと口にできるようになった綾乃。
唯一眠気だけは残っているものの、家事もできる日が続いている。

検診の日はレストランが休みの月曜にしている。

はじめての検診では赤ちゃんの袋しか見られず、二回目の検診で赤ちゃんの心音を聞いて悟は泣きそうになりながら綾乃の手をギュッと握っていた。

綾乃はエコーでわが子を見ることも幸せを感じるが、エコーを見て感動している悟の表情を見るのも楽しみになっていた。

「気を付けて」
日に日に過保護になる悟。
綾乃に荷物を持たせないのはもちろん。歩くときは部屋の中でも手をつないだり肩や腰に手をまわしている。

今も、靴を履く綾乃の前にしゃがみ靴を履かせようとする悟。
「自分で履けるよ。」
妊娠してからローヒールのパンプスを履いている綾乃。
「だめ。転んだらどうすんだよ。」
そう言って綾乃の手を自分の肩に置かせて、結局悟は綾乃に靴まで履かせた。
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