運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
確かにシェフ目当てで来店している女子たちとよく会うことがある。
整った顔だと思いつつ、いつも料理に夢中であまり気にしていなかった。

綾乃は改まって悟の方を見た。
何かを言おうとしても、何と言っていいかわからない。

いつもお世話になっています?
今更こんばんは?

戸惑っていると『きゅるる~』っと綾乃のお腹が弱々しく鳴いた。
お腹減ってたんだ。

恥ずかしくなって思わず自分のお腹に手をあてる綾乃に、悟は「腹、減ってませんか?」と柔らかく微笑んだ。

「減ってます」
その言葉に待っていましたとばかりに悟は立ち上がり、綾乃の方に手を伸ばした。

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