運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「気をつけろよ?」
綾乃の足元を気をつけながら、すっと手をつなぎ体を支える悟。

「大丈夫だよ。」
「だめ。大丈夫なんてないんだから。いつ生まれてもおかしくはないんだ。」
「楽しみだね」
「楽しみなんてもんじゃない。今から生まれる瞬間を考えただけで泣きそうになるんだから。」
悟の言葉に笑いながら綾乃は大きくなった自分のお腹を撫でた。

「元気に生まれてくれたら、それだけでいい、ね?」
「もちろん。」
綾乃のお腹に悟もそっと手を触れる。


二人は新しい命を授かっていた。

綾乃の体調が戻り、結婚をして二人の時間を楽しんでいた毎日。
子どもは自然に授かれることを心の中で願いながら過ごしていた。
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