運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
悟もきっと、自分の考えに気づいていると綾乃は思っていた。

一緒に暮らす選択は、悟がそばで支えたいと申し出てくれたから。
でもそれ以上前に進もうとはお互いに今はしていない。

結婚の話をしないで、綾乃を待ってくれている悟の気持ちにも、こたえられるように綾乃は自分から逃げないと決めていた。

悟のシャツのしわを再び伸ばし、綾乃は掃除を始めた。


二人で暮らすようになりどんどんと増えている物たち。
悟の部屋は物が少なくて、唯一キッチン周りだけが物が多く生活感があった。

今は違う。
2人の物やおそろいのものが増えている。

掃除をしている時も、悟がレストランにいる時も、この部屋には孤独を感じさせないものがたくさんある。
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