運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「綾乃?」
慌てて駆け寄りたい気持ちを抑えて、あえて冷静に綾乃の名前を呼ぶ悟。

少しずつ近づきながら、綾乃の様子を探る。


今でも時々、同じような表情になることがある。

まだ完全に心が回復したわけではない綾乃はバランスをこうして崩すことがあった。

何が原因だろうか。

綾乃の持っている箱に何かヒントがあると思った悟は、綾乃を刺激しないようにゆっくりと近づきその箱の中を見た。

そこにはバラバラになった、鍋。
この前アヒージョをした鍋だ。

今朝の会話を思い出してピンとくる。
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