運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
きっと今夜はチーズフォンデュだと言ったから、綾乃は準備しようとしてくれたんだ。
それで割ってしまったことで不安定になったのか。

すべてを察した悟は、綾乃からその箱を預かった。

綾乃の手をみるとあちこちが切れて、血が出ている。

きっと動揺したまま素手で割れてしまった陶器の鍋を、箱に集めたのだろう。


見ているだけで痛々しい。

悟は箱を客用のテーブルに置くと、綾乃の肩を抱いて椅子に座らせた。
今にも倒れそうだ。

綾乃を椅子に座らせると、まずは救急箱を持ってくる。

そして、隣の席に座り綾乃の手を手当てしはじめた。
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