運命が変えた一夜　～年上シェフの甘い溺愛～
パックをしたままキッチンへと向かう。
家賃は10万円以上。東京都内に住んでいる30歳前の女子の中ではいい部屋に暮らしている方だ。

玄関から長い廊下を通り、右手には浴室、つぎの扉はトイレ、そして三つ目の扉は収納スペースになっている。左手側には扉はひとつ。そこは寝室。綾乃こだわりのセミダブルのベッドが置かれている。
長い廊下のつきあたりの扉を開けるとそこは16畳のＬＤＫ。

かなり日当たりがいい。
ここには綾乃のこだわりのダイニングテーブルと大きなソファが置かれている。

この部屋には彼氏と別れてから引っ越しをした。
家具も服も、小物も、別れてからほとんど新しくした。

思い出したくない過去を、思い出すきっかけをなくしたかったというのが正直なところだ。

綾乃はキッチンでいつものように冷蔵庫の中から材料を取り出し、スムージーを作った。
完成したスムージーを一気に飲み干す。

「あ”～っ」
おっさんのような声をあげてから、コップとジューサーを洗い、洗いカゴにさかさまに入れると再び浴室に向かった。
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