運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
かなりペースを上げて仕事をこなした綾乃。
幸い外回りの仕事がなかったことですんなりと仕事は片付いて行った。
今日は絶対に閉店までに間に合わせると決めている。何が何でも間に合わせる。

たとえ翌日に休日出勤になっても、今日は絶対に。

そう考えるときに浮かぶのは、悟の柔らかい微笑みだった。

いつもは温かなスープを思い浮かべて頑張っていたのに・・・

ふと自分の中に起き始めている変化に気づいた綾乃は少し戸惑った。


同時に浮かぶのは苦しかった過去。
まだ抜け出せていない過去。

もうやめようって決めた。
誰かを信じて心から頼って・・・すべてを許すことを・・・
それでまた傷ついてしまったら・・・

またあんなつらい経験をしてしまったら・・・

もう自分は乗り越えられない。
立ち直れない。

心がダメになってしまう・・・
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