運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
まだ朝陽が昇り始めたばかりの早朝。
ぐっすりと眠っていた悟はインターフォンの音にどうしてか嫌な予感がしながら反応した。

この音は部屋の玄関のインターフォンの音だ。
マンションの入り口のチャイムとは音が違う。

ベッドから出ると悟はモニターを見た。
そこには、両耳を抑えながら明らかに苦しんでいる綾乃が立っている。今にも倒れそうな綾乃の様子に悟は慌てて玄関に向かった。

『ガチャ』
扉を開けるとそこには床に蹲り頭を抱えている綾乃がいた。
「どうしたっ!?」
すぐに綾乃の体を支える悟。

「耳が・・・痛くて・・・」
頭を抱えながら、ぽたぽたと涙を流し苦痛に顔をゆがめている綾乃に悟は焦った。
顔面蒼白。今にも意識を失いそうになっている。
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