運命が変えた一夜 ～年上シェフの甘い溺愛～

綾乃に比べてかなり背が高くスタイルがいい。
ラフな白いシャツにカーキ色のパンツを組み合わせた、かなり力の入っていない格好なのに、おしゃれに見える。モデルか何かをしている人なのかなと思いながら、都会の中心に位置するマンションではあり得ることかと変に動じず綾乃は駅へ向かった。

マンションから駅までは歩いて5分程度。
この道のりにも慣れた。

途中、綾乃はちらりと道沿いにあるレストランに目を向ける。

今日は金曜日。
待ちに待ったこの日だ。

毎日くたくたになるまで仕事を頑張れるのはこの楽しみがあるからだ。
週に一度のご褒美。

今のマンションに引っ越しをしてすぐ、疲れすぎて何もする気の起きなかった綾乃がふと立ち寄ったイタリアンレストラン。
このレストランで一口料理を口にした瞬間、虜になった。