春の雨に濡れて
第13話 二人で学校に結婚の報告に行った
【6月27日(月)】
朝、隣で寝ていた美香ちゃんが飛び起きた。時計を見ると6時半過ぎ。
「寝坊をして、すみません」と慌ててキッチンへ出て行った。
「今日は二人ともお弁当はコンビニで買えばいいよ。ごめん、こちらも寝坊して。やっぱり、二人とも相当疲れていたんだと思う」
「そうみたいですね」
美香ちゃんはもうお弁当をつくるのをあきらめたみたい。
「朝食は、トーストとホットミルクで十分」
「そうします」
「昨日は、結婚式、入籍、初夜とお互い緊張することばかりだったから。それより、身体は大丈夫、疲れていない?」
「大丈夫です」
「それじゃ、今日はもう一仕事。学校へ結婚を報告しなければならない。今日、出勤したら、僕から、佐藤先生に話があるので訪問したい旨、申し込む。結果は携帯にメールで知らせるから」
「私は何をすればいい」
「何もしなくていい。自然体で、学校には今の気持ちを素直に話せばよいと思う。結婚が理由で退学になったりはしないだろう」
それから、いつもの時間にそれぞれ出勤、登校。
会社に着いて、すぐに学校に電話をすると佐藤先生に連絡がついて、重要な話があるというと4時に佐藤先生と副校長に会う約束ができた。メールで美香ちゃんに連絡を入れておく。
4時少し前に学校に着くと玄関で美香ちゃんが待っている。目立たなように二人で
職員室へ行くと、佐藤先生が応接室に案内してくれた。すぐに副校長が応接室に入ってきた。挨拶をすませるとすぐにこちらから話はじめる。
「山田美香が6月18日で18歳になりました。ご存知のとおりの経緯から、私たちは3か月間同居しております。この間、お互いに気持ちが通い合って好きになりました。二人相談して、このまま、同居を続けるのであれば、けじめをつけて結婚する方が良いとの結論に達し、昨日の6月26日日曜日に二人で結婚式を挙げて入籍しました。事前にご相談することもなく、突然ご報告することになりましたが、ご理解いただきたいと思います。美香の叔母からも承諾をもらっています。これが、婚姻届受理証明書です」
「この前に二人にお会いした時に、真摯なことは分かっていました。山田さんは18歳になったばかり、それに3か月と言う短い期間でよく決心しましたね。後悔しませんか」
「3か月、同居していた訳ですから、90日間毎日会っていたことになります。それも毎日長い時間です。それで、石原さんの誠実さや優しさが分かっているので迷いなどありませんでした。そして、この人が運命の人だと確信しました。普通の恋人同士なら、毎週1日会っていたとしても90週分になります。これは2年近く付き合っていたのと同じです。決して短い期間ではありません」
どこかで聞いた話だと思わず笑いそうになったが我慢した。
「そうですね。7年間も付き合っていても結婚に踏み切れないカップルもいます。石原さんは3か月で山田さんの面倒を一生見ると決断されたわけですね」
「そのとおりです。もうひとつの理由がそれに当たります。美香には進学してもらいたいと思っています。でもいくら進めても遠慮しているみたいで。結婚すれば、妻を養うのは当たり前だし、進学も身内なのだから遠慮しないと思ったからです」
「お二人の心構えは良く分かりました。私も、このまま同居を続けるのなら、はっきりさせて良かったと思います。おめでとうございます。校長はじめ関係者には私から説明しておきます」
「よろしくお願いします」
「戸籍ができたら、戸籍謄本を学校に提出してください。必要な手続きをします」
「その時に、担任の私から、クラスの皆にも知らせます」
「ご理解いただいてありがとうございます」
丁寧に挨拶してから、2人一緒に帰宅した。途中、美香ちゃんが聞いてきた。
「私を進学させるためだったのですか」
「それもあるけど、一番は大好きになったこと、2番は料理がうまくて家事ができることかな。そういえば、家事ができることは学校に話さなかった」
「進学のことまで考えてくれていたとは思いませんでした」
「学校に結婚を認めてもらうための方便でもあるけど、進学してほしい。僕の奥さんになったのだから、遠慮はいらないし、大学でもっと勉強してほしい。だから進学のことを考えてほしい」
「わかりました。考えてみます」
これでやるべきことはすべて終わって、ほっとした。後は戸籍謄本が届いたら、会社へ結婚の報告をして、美香ちゃんの扶養申請をするだけ。これで何の心配もなく、美香ちゃんを妻として抱いてやれる。
帰りにスーパーによって食材などを買った。週末は結婚式で忙しかったから十分に食材の補給ができていなかった。美香ちゃんが冷蔵庫の在庫と1週間分の献立を考えて、籠に手際よく品物を入れていく。
献立表ができていて、それをローテションで作るのだが、少し多めに作って余ったものは、冷凍保存して、お弁当や数日後の付け合わせに出てきたりする。だから、夕食は毎日目先が変わって飽きない。
ソファーでいつものとおり家事をこなして行く美香ちゃんをみている。いつも帰宅は、8時前後だから、時間があるのと、学校への報告が終わったので、緊張が解けて、気が抜けてくる。
自分も少し疲れているので、ゆっくりでいいよと声をかけるが、大丈夫と言って嬉しそうに食事の準備をしている。それを見ていて、少し眠ったみたい。
いつもよりずっと早い6時からの夕食。結婚2日目の夕食になるが、昨夜は不覚を取ったが、今夜は美香ちゃんをどうしてやろうかなどと考えていると、つい無口になる。話をしてもちぐはぐな話題になる。
美香ちゃんも同じかもしれない。ときどき話がとんでいる。なんとなくぎこちない夕食が終わった。夕食を食べたから、少し元気が出てきた感じがする。
後かたづけを手際よくすませた美香ちゃんを休ませるためにソファーに座らせて、僕がレギュラーコーヒーを入れてやる。お湯を沸かして、コーヒー豆をミルで挽いて、ドリップでゆっくり入れる。この一連の動作はお茶に似ていると思っている。心が落ちつく。
会社でコーヒー豆を扱っていることもあり、就職してから、毎日、食後に入れて一人飲んでいた。晩酌もそうだが、1日の緊張が解ける。産地により味が違うが、飲めば大体分かるくらいになっている。1回に少量しか買わず、毎回、必ず産地やブレンドの違うものを買うことにしている。
美香ちゃんはブラックが好きだが、僕は最初の一口はブラックで味見をして、その後はミルクも砂糖も全部入れて飲む。それから二人で豆やブレンドの批評をする。
今日は新橋駅ビルで見つけた珍しいべトナム産、ちょっと苦くてジャワロブスターに似ている。美香ちゃんも苦くて癖があるという。一休みしたところで、お風呂。
先に入って髪を洗っていると、昨日と同じに「お背中をお流しします」と美香ちゃんが入ってくる。髪を洗っているのに構わず背中を洗い始める。頭と背中が同時に洗い終わる。
それから、自分も洗ってほしいというので、座らせて、背中、胸、お腹と全身を洗ってやる。美香ちゃんがしがみ付いてくる。
これからどうしようと考えかけたとき、美香ちゃんが、あることをさせてほしいという。一度断るが、どうしてもさせてほしいと聞かない。美香ちゃんの気持ちがわかるので、聞き入れた。
終わった後、思わずしゃがみこんで美香ちゃんを抱きしめてありがとうといってキス。しばらく美香ちゃんは泣いていた。僕は泣き止むまで美香ちゃんを抱きしめていた。
それから、美香ちゃんにシャワーをかけて、自分もシャワーを浴びて、浴室を出た。バスタオルで身体を拭きあってから、美香ちゃんを抱っこして寝室へ運ぶ。
美香ちゃんはちょっと待ってといって、目覚まし時計を5時半にセットして、これで安心といって、抱きついて来た。
昨夜は緊張で思うようにいかなかったので、ゆっくり落ち着いて、美香ちゃんと愛し合った。
「圭さんは左利きなんですね。今まで気が付かなったけど、抱いてもらって初めて分かりましゅた」
「もともと左利きだけど、小さい時に矯正したから、右手が自由に使える。見た目では分からないと思う」
「でも私を可愛がってくれるのは左手。私を必ず右側に寝かせるので分かった」
「確かに、利き手の左手が自由に使えるから、美香ちゃんを必ず右側に寝かせている」
「私は右利きだから、圭さんの右側で丁度いい。新しい発見、二人の相性が合っていてうれしい。」
「疲れているみたいだから、もう休もうか、後ろから抱いてあげるから」
「ありがとう。お休みなさい」
朝、美香ちゃんがトイレに立ったので目が覚めた。まだ、5時だが、着替え始めている。どうしたのと声をかけると生理になったという。これでしばらくお預けか思うと寂しいのとホットしたのと半分半分。
しばらくはお互い少し離れて休んだ方がよいかもしれない。美香ちゃんもそう思っているみたい。離れるといっても隣合わせに布団を敷いているから、そばで寝ていることにかわりはない。
丁度期末試験が、7月1日(金)~6日(水)まである。次の日からしばらく遅くまで勉強していることもあり、布団には入ってこなくなった。ただ、時々手を伸ばしてきて、手を繋いで眠った。試験が終わるまでは、しばらくお休みしよう。
【7月3日(日)】
日曜日の午後、美香ちゃんが山崎先生から感謝のメールが届いたと僕の所へとんできた。佐藤先生からプロポーズされて結婚することになったとのこと。
山崎先生と佐藤先生は7年間交際していたが、お互い仕事が忙しかったり、転勤になったりして、すれ違いが多く、結婚にまでは至らなかった。
佐藤先生が、石原さんと山田さんが3か月と言う短い期間で愛を育んで結婚の決心をしたことを聞いて、自分たちはどうなんだと考えたら、すぐにプロポーズしなければと思ったという。土曜日に呼び出されて突然プロポーズされて、快諾したとのことであった。
お世話になった山崎先生と佐藤先生の結婚が、二人の結婚が契機となったのを聞いて驚くと同時にとても嬉しかった。
朝、隣で寝ていた美香ちゃんが飛び起きた。時計を見ると6時半過ぎ。
「寝坊をして、すみません」と慌ててキッチンへ出て行った。
「今日は二人ともお弁当はコンビニで買えばいいよ。ごめん、こちらも寝坊して。やっぱり、二人とも相当疲れていたんだと思う」
「そうみたいですね」
美香ちゃんはもうお弁当をつくるのをあきらめたみたい。
「朝食は、トーストとホットミルクで十分」
「そうします」
「昨日は、結婚式、入籍、初夜とお互い緊張することばかりだったから。それより、身体は大丈夫、疲れていない?」
「大丈夫です」
「それじゃ、今日はもう一仕事。学校へ結婚を報告しなければならない。今日、出勤したら、僕から、佐藤先生に話があるので訪問したい旨、申し込む。結果は携帯にメールで知らせるから」
「私は何をすればいい」
「何もしなくていい。自然体で、学校には今の気持ちを素直に話せばよいと思う。結婚が理由で退学になったりはしないだろう」
それから、いつもの時間にそれぞれ出勤、登校。
会社に着いて、すぐに学校に電話をすると佐藤先生に連絡がついて、重要な話があるというと4時に佐藤先生と副校長に会う約束ができた。メールで美香ちゃんに連絡を入れておく。
4時少し前に学校に着くと玄関で美香ちゃんが待っている。目立たなように二人で
職員室へ行くと、佐藤先生が応接室に案内してくれた。すぐに副校長が応接室に入ってきた。挨拶をすませるとすぐにこちらから話はじめる。
「山田美香が6月18日で18歳になりました。ご存知のとおりの経緯から、私たちは3か月間同居しております。この間、お互いに気持ちが通い合って好きになりました。二人相談して、このまま、同居を続けるのであれば、けじめをつけて結婚する方が良いとの結論に達し、昨日の6月26日日曜日に二人で結婚式を挙げて入籍しました。事前にご相談することもなく、突然ご報告することになりましたが、ご理解いただきたいと思います。美香の叔母からも承諾をもらっています。これが、婚姻届受理証明書です」
「この前に二人にお会いした時に、真摯なことは分かっていました。山田さんは18歳になったばかり、それに3か月と言う短い期間でよく決心しましたね。後悔しませんか」
「3か月、同居していた訳ですから、90日間毎日会っていたことになります。それも毎日長い時間です。それで、石原さんの誠実さや優しさが分かっているので迷いなどありませんでした。そして、この人が運命の人だと確信しました。普通の恋人同士なら、毎週1日会っていたとしても90週分になります。これは2年近く付き合っていたのと同じです。決して短い期間ではありません」
どこかで聞いた話だと思わず笑いそうになったが我慢した。
「そうですね。7年間も付き合っていても結婚に踏み切れないカップルもいます。石原さんは3か月で山田さんの面倒を一生見ると決断されたわけですね」
「そのとおりです。もうひとつの理由がそれに当たります。美香には進学してもらいたいと思っています。でもいくら進めても遠慮しているみたいで。結婚すれば、妻を養うのは当たり前だし、進学も身内なのだから遠慮しないと思ったからです」
「お二人の心構えは良く分かりました。私も、このまま同居を続けるのなら、はっきりさせて良かったと思います。おめでとうございます。校長はじめ関係者には私から説明しておきます」
「よろしくお願いします」
「戸籍ができたら、戸籍謄本を学校に提出してください。必要な手続きをします」
「その時に、担任の私から、クラスの皆にも知らせます」
「ご理解いただいてありがとうございます」
丁寧に挨拶してから、2人一緒に帰宅した。途中、美香ちゃんが聞いてきた。
「私を進学させるためだったのですか」
「それもあるけど、一番は大好きになったこと、2番は料理がうまくて家事ができることかな。そういえば、家事ができることは学校に話さなかった」
「進学のことまで考えてくれていたとは思いませんでした」
「学校に結婚を認めてもらうための方便でもあるけど、進学してほしい。僕の奥さんになったのだから、遠慮はいらないし、大学でもっと勉強してほしい。だから進学のことを考えてほしい」
「わかりました。考えてみます」
これでやるべきことはすべて終わって、ほっとした。後は戸籍謄本が届いたら、会社へ結婚の報告をして、美香ちゃんの扶養申請をするだけ。これで何の心配もなく、美香ちゃんを妻として抱いてやれる。
帰りにスーパーによって食材などを買った。週末は結婚式で忙しかったから十分に食材の補給ができていなかった。美香ちゃんが冷蔵庫の在庫と1週間分の献立を考えて、籠に手際よく品物を入れていく。
献立表ができていて、それをローテションで作るのだが、少し多めに作って余ったものは、冷凍保存して、お弁当や数日後の付け合わせに出てきたりする。だから、夕食は毎日目先が変わって飽きない。
ソファーでいつものとおり家事をこなして行く美香ちゃんをみている。いつも帰宅は、8時前後だから、時間があるのと、学校への報告が終わったので、緊張が解けて、気が抜けてくる。
自分も少し疲れているので、ゆっくりでいいよと声をかけるが、大丈夫と言って嬉しそうに食事の準備をしている。それを見ていて、少し眠ったみたい。
いつもよりずっと早い6時からの夕食。結婚2日目の夕食になるが、昨夜は不覚を取ったが、今夜は美香ちゃんをどうしてやろうかなどと考えていると、つい無口になる。話をしてもちぐはぐな話題になる。
美香ちゃんも同じかもしれない。ときどき話がとんでいる。なんとなくぎこちない夕食が終わった。夕食を食べたから、少し元気が出てきた感じがする。
後かたづけを手際よくすませた美香ちゃんを休ませるためにソファーに座らせて、僕がレギュラーコーヒーを入れてやる。お湯を沸かして、コーヒー豆をミルで挽いて、ドリップでゆっくり入れる。この一連の動作はお茶に似ていると思っている。心が落ちつく。
会社でコーヒー豆を扱っていることもあり、就職してから、毎日、食後に入れて一人飲んでいた。晩酌もそうだが、1日の緊張が解ける。産地により味が違うが、飲めば大体分かるくらいになっている。1回に少量しか買わず、毎回、必ず産地やブレンドの違うものを買うことにしている。
美香ちゃんはブラックが好きだが、僕は最初の一口はブラックで味見をして、その後はミルクも砂糖も全部入れて飲む。それから二人で豆やブレンドの批評をする。
今日は新橋駅ビルで見つけた珍しいべトナム産、ちょっと苦くてジャワロブスターに似ている。美香ちゃんも苦くて癖があるという。一休みしたところで、お風呂。
先に入って髪を洗っていると、昨日と同じに「お背中をお流しします」と美香ちゃんが入ってくる。髪を洗っているのに構わず背中を洗い始める。頭と背中が同時に洗い終わる。
それから、自分も洗ってほしいというので、座らせて、背中、胸、お腹と全身を洗ってやる。美香ちゃんがしがみ付いてくる。
これからどうしようと考えかけたとき、美香ちゃんが、あることをさせてほしいという。一度断るが、どうしてもさせてほしいと聞かない。美香ちゃんの気持ちがわかるので、聞き入れた。
終わった後、思わずしゃがみこんで美香ちゃんを抱きしめてありがとうといってキス。しばらく美香ちゃんは泣いていた。僕は泣き止むまで美香ちゃんを抱きしめていた。
それから、美香ちゃんにシャワーをかけて、自分もシャワーを浴びて、浴室を出た。バスタオルで身体を拭きあってから、美香ちゃんを抱っこして寝室へ運ぶ。
美香ちゃんはちょっと待ってといって、目覚まし時計を5時半にセットして、これで安心といって、抱きついて来た。
昨夜は緊張で思うようにいかなかったので、ゆっくり落ち着いて、美香ちゃんと愛し合った。
「圭さんは左利きなんですね。今まで気が付かなったけど、抱いてもらって初めて分かりましゅた」
「もともと左利きだけど、小さい時に矯正したから、右手が自由に使える。見た目では分からないと思う」
「でも私を可愛がってくれるのは左手。私を必ず右側に寝かせるので分かった」
「確かに、利き手の左手が自由に使えるから、美香ちゃんを必ず右側に寝かせている」
「私は右利きだから、圭さんの右側で丁度いい。新しい発見、二人の相性が合っていてうれしい。」
「疲れているみたいだから、もう休もうか、後ろから抱いてあげるから」
「ありがとう。お休みなさい」
朝、美香ちゃんがトイレに立ったので目が覚めた。まだ、5時だが、着替え始めている。どうしたのと声をかけると生理になったという。これでしばらくお預けか思うと寂しいのとホットしたのと半分半分。
しばらくはお互い少し離れて休んだ方がよいかもしれない。美香ちゃんもそう思っているみたい。離れるといっても隣合わせに布団を敷いているから、そばで寝ていることにかわりはない。
丁度期末試験が、7月1日(金)~6日(水)まである。次の日からしばらく遅くまで勉強していることもあり、布団には入ってこなくなった。ただ、時々手を伸ばしてきて、手を繋いで眠った。試験が終わるまでは、しばらくお休みしよう。
【7月3日(日)】
日曜日の午後、美香ちゃんが山崎先生から感謝のメールが届いたと僕の所へとんできた。佐藤先生からプロポーズされて結婚することになったとのこと。
山崎先生と佐藤先生は7年間交際していたが、お互い仕事が忙しかったり、転勤になったりして、すれ違いが多く、結婚にまでは至らなかった。
佐藤先生が、石原さんと山田さんが3か月と言う短い期間で愛を育んで結婚の決心をしたことを聞いて、自分たちはどうなんだと考えたら、すぐにプロポーズしなければと思ったという。土曜日に呼び出されて突然プロポーズされて、快諾したとのことであった。
お世話になった山崎先生と佐藤先生の結婚が、二人の結婚が契機となったのを聞いて驚くと同時にとても嬉しかった。