春の雨に濡れて
第19話 二人だけの楽しいクリスマスとお正月
12月の模試の結果では、合格圏内に入っていた。このままがんばれ。年末年始の帰省は臨戦態勢で臨むために中止。正月休みは僕が家事に専念して美香ちゃんのサポートに徹することにした。
【12月23日(金)天皇誕生日】
一日早いクリスマスを二人で祝った。これまでクリスマスなんかには縁がなかった。イブは一人家へ帰って、テレビのクリスマス特集番組を見ることが多かった。今年は美香ちゃんの受験勉強があるので、3連休の1日目にこれを設定。あと2日はお勉強に充てる予定。
午前中に二人で近くのスーパーに買いものに行って、調理の手間が省けるローストチキン、クリスマスのオードブルセット、赤ワインなどを購入。ケーキ屋さんでショートケーキ2個購入。また、今日の昼食用のお弁当を2つ購入。お弁当を食べてから美香ちゃんは6時までお勉強。
6時から二人でクリスマスの夕食を準備。ただ、買ってきたものをならべるだけ。
「一日早いクリスマス、おめでとう」
「クリスマスがなんでおめでたいか分からないけど、私は今年のクリスマスは本当にうれしくておめでたいクリスマス。大好きな圭さんと二人きりで過ごせるクリスマス、去年の今ごろは想像もできなかった。本当にありがとうございます」
「僕も去年のクリスマスは買ってきた総菜を肴に、一人部屋で缶ビールを飲んでいた。今日は可愛い妻と二人でささやかだけど楽しいクリスマスを祝っている。とても想像できなかった。3月から本当にいろんなことがあった。乾杯しよう」
出張のみやげに買ってきたお気に入りのワイングラス2個、デザインは違っているが、僕は青いガラス、美香ちゃんは赤いガラス。美香ちゃんは未成年だから、グレープジュースを注いで、これからの二人に乾杯した。
「このあとのお勉強はどうするの」
「今日はクリスマスイブイブ、お勉強は一休みします、頭を休めることも大切。寝ている間に記憶が固定されるとか聞いたことがあります」
「今夜はゆっくり愛し合えるね」
「二人の記念すべきクリスマスにしたいから思いっきり可愛がって」
あすは連休2日目でゆっくり朝寝できる。愛し合った後、美香ちゃんは僕の腕の中で死んだように眠った。これで勉強の記憶が固定されるといいけど。
【12月31日(土)】
今日は大晦日。美香ちゃんのお勉強は順調に進んでいるみたい。10時から二人で年末のお買い物。玄関の簡単なお飾りとパックの鏡餅、年越しそば用にそばとてんぷら、正月の食材などを買い込んだ。
美香ちゃんがお正月に勉強に専念できるようにお節料理のセットを2人前、通販で申し込んでおいたので、午後には配達される予定だ。これでお正月の準備が整った。
家に帰って簡単な昼ご飯。その後、美香ちゃんは5時までお勉強。僕は、正月の飾付、お鏡をセット、カレンダーを交換、洗濯物の取り込みや部屋の整理整頓などを行う。
5時から美香ちゃんは夕食の準備。夕食は簡単に年越てんぷらそば。でも美香ちゃんはだしを鰹節からとって作った。こんな年越そばは初めてでおいしい。
食事後にお風呂に入ってから「これから12時までお勉強するから、その後抱いて下さい」と言って美香ちゃんはお勉強。
僕はテレビのボリュームを絞って紅白を見る。年々流行の歌についていけていないことに気付いている。
12時、小さいがどこかで除夜の鐘が聞こえる。
「除夜の鐘が聞こえるよ」
「ほんと、小さいけど除夜の鐘」
「今年のお勉強は終わりです。今年の締めに抱いて下さい」
寝室で二人布団に入って抱き合う。美香ちゃんの身体が冷たくなっている。
「身体が冷たくなっているよ。大丈夫? 風邪をひくよ」
「ギュッと抱きしめて温めて下さい」
抱きしめて、身体をさすっているうちに美香ちゃんの身体が段々温かくなってくるのが分かった。それから部屋の暖房を一番強くして、愛し合う。来年も良いことが一杯ありますように!
【1月1日(日)】
朝、目が覚めたがもう9時に近い。寝床には美香ちゃんがいない。朝食の準備かな?
「おめでとうございます」
「食事の準備ができています」
「お正月はゆっくりで良いと言っていたはずじゃないか。よく眠れた?」
「私も今起きたばかりです。朝と昼の兼用の食事です。着替えて来て下さい」
テーブルに注文して届いたおせちセットが並んでいる。
「お雑煮にお餅を幾つ入れますか?」
「3つかな」
「私は2つ」
のんびりした二人初めてのお正月の食事は良いもんだ。
「これがお昼兼用の食事で、夕飯もこのおせちの残りでお願いします」
「缶ビールが1本あれば、これで十分なご馳走だ」
「助かります」
「食事が済んだら、近くの洗足池公園にある千束八幡神社へ初詣に行こう。来年は明治神宮へ行こう。今年は勉強もあるから近場で済まそう」
「散歩している時にあったあの神社ですね」
「この辺りでは一番大きい神社かな」
それから、二人で初詣でに出かけた。10時頃だというのに意外に長い行列ができていたのに驚いた。列はカップルや家族づれがほとんど。長い列だったが、15分くらいでお参りができた。美香ちゃんはおみくじを引いた。
「大吉が出た」
「こいつは春から縁起が良い」
「圭さんはやはり引かない?」
「引かない。美香ちゃんの大吉で十分。少し運を分けてもらえればありがたい」
「もちろんです」
美香ちゃんは大満足で帰宅した。もちろん僕も。それから美香ちゃんは勢いづいてお勉強。
6時に残りのおせちで夕食。夕食後にお風呂に入って、美香ちゃんはまたお勉強。僕はテレビを見るが、正月番組はどこも同じでおもしろくない。録画してあった映画を見ていたが、11時ごろ、美香ちゃんがやってきた。
「へへ、今日は『姫始め』ですよね」
「『姫始め』を知っているんだ。大晦日の夜が『姫納め』でお正月の初めてが『姫始め』」
「お勉強済んだので、今日もお願いします」
「姫始めは1月2日ともいわれているけど、お互い我慢できそうにないね」
「我慢していたら、お勉強に集中できないので。抱いてもらうとすっきりして、また、集中できるんです」
「そういうのなら、もちろん協力するけど、姫始めが済んだらできるだけ勉強に集中して、もちろんプレッシャーになるつもりはないけど」
「よく分かっています」
【12月23日(金)天皇誕生日】
一日早いクリスマスを二人で祝った。これまでクリスマスなんかには縁がなかった。イブは一人家へ帰って、テレビのクリスマス特集番組を見ることが多かった。今年は美香ちゃんの受験勉強があるので、3連休の1日目にこれを設定。あと2日はお勉強に充てる予定。
午前中に二人で近くのスーパーに買いものに行って、調理の手間が省けるローストチキン、クリスマスのオードブルセット、赤ワインなどを購入。ケーキ屋さんでショートケーキ2個購入。また、今日の昼食用のお弁当を2つ購入。お弁当を食べてから美香ちゃんは6時までお勉強。
6時から二人でクリスマスの夕食を準備。ただ、買ってきたものをならべるだけ。
「一日早いクリスマス、おめでとう」
「クリスマスがなんでおめでたいか分からないけど、私は今年のクリスマスは本当にうれしくておめでたいクリスマス。大好きな圭さんと二人きりで過ごせるクリスマス、去年の今ごろは想像もできなかった。本当にありがとうございます」
「僕も去年のクリスマスは買ってきた総菜を肴に、一人部屋で缶ビールを飲んでいた。今日は可愛い妻と二人でささやかだけど楽しいクリスマスを祝っている。とても想像できなかった。3月から本当にいろんなことがあった。乾杯しよう」
出張のみやげに買ってきたお気に入りのワイングラス2個、デザインは違っているが、僕は青いガラス、美香ちゃんは赤いガラス。美香ちゃんは未成年だから、グレープジュースを注いで、これからの二人に乾杯した。
「このあとのお勉強はどうするの」
「今日はクリスマスイブイブ、お勉強は一休みします、頭を休めることも大切。寝ている間に記憶が固定されるとか聞いたことがあります」
「今夜はゆっくり愛し合えるね」
「二人の記念すべきクリスマスにしたいから思いっきり可愛がって」
あすは連休2日目でゆっくり朝寝できる。愛し合った後、美香ちゃんは僕の腕の中で死んだように眠った。これで勉強の記憶が固定されるといいけど。
【12月31日(土)】
今日は大晦日。美香ちゃんのお勉強は順調に進んでいるみたい。10時から二人で年末のお買い物。玄関の簡単なお飾りとパックの鏡餅、年越しそば用にそばとてんぷら、正月の食材などを買い込んだ。
美香ちゃんがお正月に勉強に専念できるようにお節料理のセットを2人前、通販で申し込んでおいたので、午後には配達される予定だ。これでお正月の準備が整った。
家に帰って簡単な昼ご飯。その後、美香ちゃんは5時までお勉強。僕は、正月の飾付、お鏡をセット、カレンダーを交換、洗濯物の取り込みや部屋の整理整頓などを行う。
5時から美香ちゃんは夕食の準備。夕食は簡単に年越てんぷらそば。でも美香ちゃんはだしを鰹節からとって作った。こんな年越そばは初めてでおいしい。
食事後にお風呂に入ってから「これから12時までお勉強するから、その後抱いて下さい」と言って美香ちゃんはお勉強。
僕はテレビのボリュームを絞って紅白を見る。年々流行の歌についていけていないことに気付いている。
12時、小さいがどこかで除夜の鐘が聞こえる。
「除夜の鐘が聞こえるよ」
「ほんと、小さいけど除夜の鐘」
「今年のお勉強は終わりです。今年の締めに抱いて下さい」
寝室で二人布団に入って抱き合う。美香ちゃんの身体が冷たくなっている。
「身体が冷たくなっているよ。大丈夫? 風邪をひくよ」
「ギュッと抱きしめて温めて下さい」
抱きしめて、身体をさすっているうちに美香ちゃんの身体が段々温かくなってくるのが分かった。それから部屋の暖房を一番強くして、愛し合う。来年も良いことが一杯ありますように!
【1月1日(日)】
朝、目が覚めたがもう9時に近い。寝床には美香ちゃんがいない。朝食の準備かな?
「おめでとうございます」
「食事の準備ができています」
「お正月はゆっくりで良いと言っていたはずじゃないか。よく眠れた?」
「私も今起きたばかりです。朝と昼の兼用の食事です。着替えて来て下さい」
テーブルに注文して届いたおせちセットが並んでいる。
「お雑煮にお餅を幾つ入れますか?」
「3つかな」
「私は2つ」
のんびりした二人初めてのお正月の食事は良いもんだ。
「これがお昼兼用の食事で、夕飯もこのおせちの残りでお願いします」
「缶ビールが1本あれば、これで十分なご馳走だ」
「助かります」
「食事が済んだら、近くの洗足池公園にある千束八幡神社へ初詣に行こう。来年は明治神宮へ行こう。今年は勉強もあるから近場で済まそう」
「散歩している時にあったあの神社ですね」
「この辺りでは一番大きい神社かな」
それから、二人で初詣でに出かけた。10時頃だというのに意外に長い行列ができていたのに驚いた。列はカップルや家族づれがほとんど。長い列だったが、15分くらいでお参りができた。美香ちゃんはおみくじを引いた。
「大吉が出た」
「こいつは春から縁起が良い」
「圭さんはやはり引かない?」
「引かない。美香ちゃんの大吉で十分。少し運を分けてもらえればありがたい」
「もちろんです」
美香ちゃんは大満足で帰宅した。もちろん僕も。それから美香ちゃんは勢いづいてお勉強。
6時に残りのおせちで夕食。夕食後にお風呂に入って、美香ちゃんはまたお勉強。僕はテレビを見るが、正月番組はどこも同じでおもしろくない。録画してあった映画を見ていたが、11時ごろ、美香ちゃんがやってきた。
「へへ、今日は『姫始め』ですよね」
「『姫始め』を知っているんだ。大晦日の夜が『姫納め』でお正月の初めてが『姫始め』」
「お勉強済んだので、今日もお願いします」
「姫始めは1月2日ともいわれているけど、お互い我慢できそうにないね」
「我慢していたら、お勉強に集中できないので。抱いてもらうとすっきりして、また、集中できるんです」
「そういうのなら、もちろん協力するけど、姫始めが済んだらできるだけ勉強に集中して、もちろんプレッシャーになるつもりはないけど」
「よく分かっています」