愛しても、いいですか
「…大石さん、夜ご飯食べました?」

何となく、もうこの話題は終わりにしたくて話を変えた。

「…んーん。食べてない」

大石さんもそれ以上は聞いて来ない。

「何か食べないとダメですよ。最近全然会えてなかったですけど、ちゃんとご飯食べてました?」

「んー朝はコーヒーで、昼は秘書が買って来るの適当に食べたり…夜は…食欲ない」 

やっぱり…忙しすぎてちゃんと食べられてないんだ。

「ダメですよ、ちゃんと食べないと。身体が資本なんですから」

「…俺、沙耶香ちゃんなら食べられる気がするんだけどなー」

突然ねだるような顔をしてそんなことを言う大石さんに、

「…忙し過ぎて倒れちゃうんじゃないかと心配でしたけど、そんな冗談言えるならまだまだ大丈夫ですね」

内心のドキドキを抑えて、何とかにっこり微笑んで軽くあしらった。

「梅茶漬け、なら食べられます?」

梅茶漬け、の所をあえて強調した。
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