愛しても、いいですか
1人で悶々としているのもあれなので、こんな時は由紀に話を聞いてもらおう、そう思い立って連絡したが、『ごめん、先約があるの』とあっさり断られた。

結局1人で悶々とした気持ちを抱えながら、多すぎる上に広すぎる部屋の掃除と洗濯をこなして、何とか1日をやり過ごした。

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ーー

一緒に眠った金曜の夜以来、また大石さんには会えなくなった。

上にいるお偉いさん方は、所詮下っ端であくせく働く私たちよりさぞ優雅な暮らしをされているんだろうと思い込んでいたが、これは認識を改めざるを得ない。

ーすれ違い生活のまま迎えた木曜日。

最近由紀も私も業務に追われてなかなか一緒にランチに行けず、ようやくひと段落ついたので今日は久しぶりに由紀といつものエスニックカフェに来ていた。
今日は私はガパオライス、由紀はパッタイを頼んだ。

「…一緒のベッドで寝たのに何もなかった?」

「…はい…」

金曜の夜の出来事を、恥を忍んでこの親友に洗いざらい話し終えた所だった。
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