愛しても、いいですか
着替えてくるから待ってて、と寝室へ行き、今日も1分もしないうちにいつもの部屋着に着替えて戻って来た。

ダイニングテーブルにさっき出来上がったばかりのオムライスとコーンクリームスープ、サラダを運ぶ。

美味しそう!そう言いながら席に着き、2人で手を合わせていただきます、をする。
オムライスにかぶりつく大石さんは美味しい美味しいと食べてくれる。

これでもう大石さんに会えないと思うと、食事をしているこの姿さえもしっかり焼き付けておかなくちゃと思う。

「沙耶香ちゃん、デザートにいつものアイス、食べよう?」

そう言って私を覗き込む大石さん。

「…はい」

そう答えると、またくしゃっと笑う。



久しぶりに他愛のない話をしながらオムライスもサラダもコーンクリームスープもしっかり完食した大石さんは、食器を下げて冷凍庫からアイスを取り出し、いつものソファーに腰掛ける。

沙耶香ちゃんもおいで、と呼ばれるがままに隣に座る。

はい、とにこり微笑まれクッキーアンドクリームを渡されて、大石さんはもちろんバニラで、それがまた胸を締め付ける。
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