愛しても、いいですか

服装をどうしようと迷ったけれど、車移動だしと、マスタードイエローのボイルギャザーワンピースを羽織に、ベージュのタンクトップと透かし柄のブラックのパンツという動きやすい格好にした。　

身支度が整い、土曜日の情報番組をぼーっと見ていると、ピンポーン、とインターホンが鳴った。モニターで確認してガチャ、とドアを開ける。うちは2階建てのアパートの2階でオートロックなんていう洒落たものはない。

「おはよう」

にこり、と微笑む大石さんを見れば、いつもはスーツ姿の彼が、今日はシンプルな麻の白いオックスフォードシャツにネイビーのチノパンというシンプルな出立ち。襟元を少し開けてラフに腕まくりしているこなれた雰囲気が大石さんにぴったりだと思う。夜でなくこんな明るい朝に会うというのも新鮮だ。

「…おはようございます」

思わず上から下まで眺め回してから挨拶をする。