愛しても、いいですか

…不意打ちはやめて…

一緒に暮らし出して３日目だけど、大石さんの言動に私の心は動かされっぱなしだ。
大石さんは私のことを甘やかし過ぎる。ずっとここにいたら私は本当にダメ人間になってしまうんじゃ…

早いこと好きな人を見つけた方がいいのかもしれない。

そうして会社の近くまで送ってもらい出社すると、

「天野さん、今週末加賀美さんと香菜さんの婚約パーティーがうちの会社と向こうの会社と合同でホテルで開催されるって聞いた？」

同じ営業事務の2年先輩である須崎さんからそんな話を聞かされた。
大石さんと怒涛の週末を過ごしていたおかげで加賀美さんのことをすっかり忘れていた私は朝から頭をガツンと殴られたような気がした。

香菜さんとは、取引先の専務の娘のことだ。

「…え、そうなんですね。知りませんでした」

何とか平静を装い答える。

「今出欠を取ってるんだけど、天野さんはどうする？」