愛しても、いいですか
「そうだけど、え、沙耶香はひょっとしてGOベッドの人⁉︎」

こくこくと頷く。

「マジかー!こんな近くにいたとは、気付かなかった…!」

慎太郎がそう言ってびっくりしている。
これには私もびっくりだ。上京していた事は風の噂で聞いていたが、まさか取引先の会社に勤めていたなんて。

「…沙耶香、綺麗になったな」

急に、本当に急に目を細めて眩しそうに見つめられそんなことを言われるから、

「…今日はパーティー仕様の濃いめのメイクしてるからだよ。っていうか昔は私のこと可愛げのないノッポだって散々言ってたくせに」

照れ隠しにバンッと慎太郎の背中を叩く。
いてっ、と言いながら、

「ごめんごめん、あの時は俺もガキだったからさ…」

急にしゅんとする慎太郎に拍子抜けする。

「…いやいや、冗談だから」
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