愛しても、いいですか

第3章 映画と不機嫌な彼

昨日の夜から今朝まで、由紀から鬼のようにLINEが来ていた。

『大丈夫⁉︎』
『大石さんと会えた⁉︎』
『家帰れた⁉︎』
『生きてる⁉︎』
『無事なの⁉︎』

などなど、それはもうすごい数のメッセージが。

とりあえず今朝起きてLINEを確認した時、

『今起きた、連絡遅くなってごめん』
『大石さんと一緒に家まで帰ってきた』
『心配掛けてごめん』
『それと、ありがと』
『また後で連絡する』

それだけすぐに返信しておいた。
すると速攻で既読が付き、大号泣している猫のスタンプだけ返って来た。


部屋に戻って電話すると、ワンコール鳴り切る前に「もしもし!」と由紀が出た。

「…早!」

「遅いよ、沙耶香〜!昨日からずっと心配してたんだからね〜⁉︎心配で寝られなかったんだからね〜⁉︎」

うわーん!と由紀が泣く。

「…ごめんごめん!由紀のおかげで無事だったよ」

電話の向こうの親友に伝える。

「LINE全然既読にならないし、大石さんに、沙耶香見つけたら連絡欲しいって言おうとしたら言う前に走り出して行っちゃうし、誰にも安否確認出来なくて辛かったよ〜…」
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