愛しても、いいですか
帰宅すると、林さんはもう帰った後らしく、大石さんがお帰り、と玄関で出迎えてくれた。

それだけで嬉しくなる私はもう重症だ…

楽しかった?そう聞かれて、とても楽しかったです、そう答えると良かった、と大石さんは目尻を下げて優しく微笑んだ。

リビングに向かいながら、

「実はね、この前寝ちゃって見られなかった映画、また借りて来たんだ。リベンジしない?」

そうやってにっ、と笑う。

そうだ、この前結局2本目の途中で2人とも寝ちゃって、でも返却期限もあったからまた今度借りて一緒に見よう、そう約束していた。

「いいですね!私も良いところで寝ちゃったから、気になってたんですよね」

やった、そう言って子供みたいに笑う大石さんに心臓がきゅっと掴まれた。

…この人がうちの会社の副社長だなんて、ほんと未だに信じられないな…
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