御手洗くんと恋のおはなし
Ep2. バスケ少年の恋
秋風爽やかなとある十月。
桜塚高校の体育館内では、気温を上昇させようとする熱い少年が一人、爆走していた。
天井に届くほどに──は言い過ぎだが、他の男子生徒から頭一つ抜きんでている彼は、大谷圭介。老け顔長身の、満の友人だ。
彼はドリブルをしながら、ハーフコートの中を駆けていく。
「ふははは、どけどけーい! ダンクかますぞ!」
「げげ、お前が言うとマジ洒落なんねって」
止めかけたクラスメイトのディフェンスをかいくぐり、大谷はバスケットボールを掴んで大きく跳ぶ。
「うりゃあああ!」
大きく足を広げた跳躍で彼は空を飛び、ゴールにボールを叩きつける! ──その前に。
ピピー、と笛が鳴り「トラベリング!」と審判が言い渡された。
「あだぁ!」
外れたボールはゴール板から跳ね返り、大谷の頭てっぺんをバウンドした。
ジャージ姿の満は笛から口を離し、しゃがみ込み頭を抱える大谷に近づく。
「お前、五歩も歩いてたぞ」
「うるへー! 勢い止まんねーんだよ!」
サッカー部の大谷はゴールキーパーをしており、運動神経も良くボール使いもうまい。しかしサッカーバカなためバスケットには疎く、ルールを理解する頭までは持ち合わせていなかった。
今は、体育の時間の合同授業。
もうすぐ秋の球技大会が控えており、バスケ参加となった満は体育館で過ごしている。
桜塚高校の体育館内では、気温を上昇させようとする熱い少年が一人、爆走していた。
天井に届くほどに──は言い過ぎだが、他の男子生徒から頭一つ抜きんでている彼は、大谷圭介。老け顔長身の、満の友人だ。
彼はドリブルをしながら、ハーフコートの中を駆けていく。
「ふははは、どけどけーい! ダンクかますぞ!」
「げげ、お前が言うとマジ洒落なんねって」
止めかけたクラスメイトのディフェンスをかいくぐり、大谷はバスケットボールを掴んで大きく跳ぶ。
「うりゃあああ!」
大きく足を広げた跳躍で彼は空を飛び、ゴールにボールを叩きつける! ──その前に。
ピピー、と笛が鳴り「トラベリング!」と審判が言い渡された。
「あだぁ!」
外れたボールはゴール板から跳ね返り、大谷の頭てっぺんをバウンドした。
ジャージ姿の満は笛から口を離し、しゃがみ込み頭を抱える大谷に近づく。
「お前、五歩も歩いてたぞ」
「うるへー! 勢い止まんねーんだよ!」
サッカー部の大谷はゴールキーパーをしており、運動神経も良くボール使いもうまい。しかしサッカーバカなためバスケットには疎く、ルールを理解する頭までは持ち合わせていなかった。
今は、体育の時間の合同授業。
もうすぐ秋の球技大会が控えており、バスケ参加となった満は体育館で過ごしている。