御手洗くんと恋のおはなし
 満はデレデレと和葉を見つめる三人衆を疎ましげに見て、今日はもう部屋に戻ろう、と足を向ける。
 その前に、カウンター奥のスタッフルームにいた光一に声をかけた。

「あ、父さん。ちょっとそこどいて」
「え、何。これ使うの?」
「うん。父さんに任せておくと、いつまでも使わないでしょ、これ」
「ありがとう。助かるわぁ」

 満は目を細めそれを操作すると、やれやれと二階の自室へと引っ込んだ。
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