御手洗くんと恋のおはなし


◇  ◇  ◇


 喫茶店に戻ると、和葉はまだいた。「ケーキいくつ食べた?」と聞いた満に、和葉は「に、二個」と悔しそうに答える。
 こっちのダイエット中止作戦も、成功のようだ。

 その後満の部屋にて、事の顛末を話した。
 まぁ簡単に言えば、和葉に片想いしていた一ノ瀬の暴走ではあったのだが、そのやり方は凶悪じみて卑劣だ。和葉に変なトラウマができないといいな、と考えながら満は説明した。

「もう和葉には話しかけない、近寄らない、て誓約書書かせたから。でも法的拘束はないから、和葉が不安なら学校や警察にも相談しようか?」
「え、そこまではいいよ! 今回はどっちかっていうと、みーちゃんのお店が被害に遭ってるし」

 どこか危機感のない和葉は、やはり一ノ瀬への対処も甘かった。
 一ノ瀬も根が悪いやつではないのだが、恋でのぼせ上がる危険な部分があることには違いない。満のブラックリストに追加された彼は、もう和葉と関われはしないだろう。

「でも、みーちゃん。どうして盗聴器が仕掛けられてるって、わかったの?」
「ああ、それはね」

 和葉の疑問の声に、満は答える。

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