十山吹の編
 昔いた天人に、十山吹がいた。男で二十歳、美しい瞳をしていた。今はもう消えて、殊更鑑みる事は無かった。
 季節は暖かい頃、蜜柑色をした花は、少女にも思えたと言う。泣いた山吹は、十と言われ親しまれたと言うー。
 美しく、背は高く、綺麗だと誰もに言われた。いつかいつか妄想でも良い、処され、死に、絶え、逆さまの世界を眺めたいと語った。
 最後に逢いたいのは、山吹を模した少女だと語った。美しく散りたい。花が自分だったらと願っていたー。
 天人峡ー、それをよく見ていたエンジェルが一人、宝石と言った。全ての宝石を司る訳では無いが、宝石という名前であった。瞳も髪も美しかったと言う。
 男で、百八十センチ程で高い背丈であった。髪型は長く伸ばしてあり、ストレートであった。美しいな宝石は。誰もがでは無いがそう言われたからノリノリな側面もあったと言う。宝石、名は何と宝石。
 そう言っては十山吹はため息をつく事あらたかであった。年齢は宝石も二十歳であった。十山吹は、言いたい事があって文句承り処に参った。
 大きな神が承りますう。かつて見た懐かしい神々がま見えた。十山吹は、消えたいと言ったと言う。セイアイ一度で、搔き消えさせる程の美男で、俺を、消して下さいー。
 普通五億程でミタマは消せるけど?閻魔大王が良いか?そこで何と宝石が顔を出して言った。何もセイアイじゃ無くたって。呆れ果てた様に、じゃあオレ相手しよっか?
 カァーっと赤らめて屈辱に煮えたぎる思いで十山吹は場を後にした。消えたいんじゃ無かったのお??エンジェルの恥晒しめ!!飛び交って搔き消え、自害したいと大泣きしたと言う。
 かなり古い話で、一億年前の天人峡での事だ。泣いて、虫ミタマにでもしてー、あらたかにもヒトミタマなんでー、そう、汚い家を感じ入り眺めたと言う。
 本当に、屈辱な事てあるのね。そう山吹は言う。そう、十は言った。
 泣いてわなわな震えて、死にたい、そう言った。誰もに幸せなのでは無かった。逆さになって死にたい。受けた。
 何と、宝石とのセイアイで消えてやると言った!は、はあー!?冗談だよそれ!!少し古い話だが、逸話として残っていた。泣いて、宝石は嫌だよと言った。
 宝石で消えますよ俺。はあー!?趣味悪いてー!何と、本当に消えて仕舞った!そんな法要が、暖かい蜜柑色の少女の羽織に刻まれ、笑い遣られる羽目に陥り、暫し笑われる天人界となった。もう、もう戻りませんよー!十山吹の法要が一夜であった。笑い声が響いた。
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