竜王様と甘いティータイム
休憩時間が終わり、ほぼすべての使用人さんたちに友チョコ(一部義理チョコ)を食べてもらったところで、私は次なる場所に向かいました。
三つだけ紙の箱に入れてお運びするのは、三将の元。
武将のバーガンディーさん、知将のインディゴ様、術将のスプルース様。もちろん『義理チョコ』ですよ。
「おっ! 美味そうだな」
という一言と共にあっという間に食べてしまったバーガンディーさん。
「なんで今日はわざわざ持ってきたんだ? もう少ししたら厨房に顔出すつもりだったのに」
「説明聞く前に食べないでくださいよ」
普段は自分から厨房に来ておやつをつまみ食いしていくタイプのバーガンディーさんなので、私がわざわざ執務室にまでおやつを届けに来たことに疑問を持ったようです。ていうか、食べる前に聞かないかな? まあ脳筋なので仕方ないですね。もちろんバレンタインと義理チョコの説明をしました。
次はインディゴ様の執務室。インディゴ様は、ちゃんと先にバレンタインの話を聞いてくれました。多分『なんでわざわざおやつを持ってきたんだ?』って疑ったんでしょう。
「それはそれは。ライラの故郷には面白い風習があるのですね」
「好きな人がいる子には、堂々と告白するチャンスなので、いいイベントだと思います」
「なるほど」
では、いただきます——と、ガトーショコラを食べてくれました。
「『バレンタインデー』にチョコレートをもらったら、それで終わりなんですか?」
「一般的には『ホワイトデー』というのがありまして——これは三月十四日なんですけど——その日にお返しをする感じです」
「それはまたチョコレートをあげるんですか?」
「いえ、なんでもいいみたいですよ。あ、でも」
前世ぐうたらOLだった私には縁遠いイベントなので、詳しくはよくわかりませんが、一つだけ知ってる豆知識が。
「でも?」
「マシュマロはあげちゃダメですよ!『あなたのことが嫌い』という意味だそうなので」
「それは避けないといけませんね。しかし、意中ではない方には有効かも」
「インディゴ様、さらっとひどいですね」
次に訪ねたスプルース様は、魔法の研究的な何かに没頭していたので、机の端っこにそっと置いておきました。
三つだけ紙の箱に入れてお運びするのは、三将の元。
武将のバーガンディーさん、知将のインディゴ様、術将のスプルース様。もちろん『義理チョコ』ですよ。
「おっ! 美味そうだな」
という一言と共にあっという間に食べてしまったバーガンディーさん。
「なんで今日はわざわざ持ってきたんだ? もう少ししたら厨房に顔出すつもりだったのに」
「説明聞く前に食べないでくださいよ」
普段は自分から厨房に来ておやつをつまみ食いしていくタイプのバーガンディーさんなので、私がわざわざ執務室にまでおやつを届けに来たことに疑問を持ったようです。ていうか、食べる前に聞かないかな? まあ脳筋なので仕方ないですね。もちろんバレンタインと義理チョコの説明をしました。
次はインディゴ様の執務室。インディゴ様は、ちゃんと先にバレンタインの話を聞いてくれました。多分『なんでわざわざおやつを持ってきたんだ?』って疑ったんでしょう。
「それはそれは。ライラの故郷には面白い風習があるのですね」
「好きな人がいる子には、堂々と告白するチャンスなので、いいイベントだと思います」
「なるほど」
では、いただきます——と、ガトーショコラを食べてくれました。
「『バレンタインデー』にチョコレートをもらったら、それで終わりなんですか?」
「一般的には『ホワイトデー』というのがありまして——これは三月十四日なんですけど——その日にお返しをする感じです」
「それはまたチョコレートをあげるんですか?」
「いえ、なんでもいいみたいですよ。あ、でも」
前世ぐうたらOLだった私には縁遠いイベントなので、詳しくはよくわかりませんが、一つだけ知ってる豆知識が。
「でも?」
「マシュマロはあげちゃダメですよ!『あなたのことが嫌い』という意味だそうなので」
「それは避けないといけませんね。しかし、意中ではない方には有効かも」
「インディゴ様、さらっとひどいですね」
次に訪ねたスプルース様は、魔法の研究的な何かに没頭していたので、机の端っこにそっと置いておきました。