エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「近衛先生……。私、実は近衛先生に聞いてほしい話があるんです」
きっと、話すなら今しかない。
そう思った私は料理を食べ終えた近衛先生を前に姿勢を正すと、昼間に母に話したことを打ち明けた。
来年の春から、栄養士になるための専門学校に通おうと思っていること。
そして将来的には栄養士として、野原食堂や、その他の施設で働きながら、人の役に立つ仕事をしたいと思っていること……。
「とはいえまずは、専門学校に受かるところからなんですけど。久しぶりに参考書とか買ったりして、改めて勉強し直さなきゃと思っています」
「……そっか。話してくれて、ありがとう。俺は、百合らしい選択だと思うし、百合が決めたことなら応援するよ」
「近衛先生……」
「百合ならきっと夢を叶えられる。だけど、もし、何か困ったことがあればいつでも俺を頼ってくれたらいい。そのときは全力で支えるし、俺はいつでも百合の味方だってことだけは覚えておいて」
優しく力強い言葉に、感動で胸が震えた。
やっぱり、何度考えても私にはもったいないくらいに素敵な人だ。
近衛先生が私を好きだと言ってくれるなんて……本当に、今でも私が見ている都合のいい夢なんじゃないかと思う。