エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
 

「百合は、隙が多くて心配になるな」

「え……?」

「俺以外の前で、これからはあまり気を抜くなよ? 片付けなんてあとでいいから、今すぐ寝室に行こう」

「──っ⁉」


 告げられた言葉に返事をする間もなく、顎を捕まれ、唇を塞がれた。


「ん、んん……っ」


 初めは触れるだけのキス。けれど、すぐに深く甘いキスに変わって身体から力が抜ける。


「せ、せん、せい……っ」

「……マズイな。今日こそ、歯止めがきかなそうだ」

「あ……っ」

「なるべく加減はするつもりだけど、先に覚悟だけはしておいて」


 そうして近衛先生は私の膝裏に腕をまわすと、私の身体を軽々と抱き上げた。

 そのまま、寝室へと運ばれる。ベッドの上におろされたらスプリングが軋んで、暗闇で見えた近衛先生の艶っぽい表情に胸がドクン!と波打った。


「近衛先生……私……」

「透、でいい」

「え……?」

「ベッドの中で、先生はおかしいだろう? それに、今夜は百合の甘い声に名前を呼ばれたい」

「んん……っ」


 言葉と同時に噛み付くようなキスをされた。

 そのまま熱い舌に理性を奪われ、激しいキスの雨を降らされる。

 貝殻のように重なりあった手と、交り合う吐息が、たまらなく甘い。

 キスと同時に与えられる刺激に身をよじれば、私を組み敷く近衛先生が小さく嘲笑った。

 
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