エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
 

「触れたところすべてから、甘い香りがする。百合も本当は最初から、俺にこうされることを期待していたんじゃないか?」


 気がつくと身につけていたものはすべて脱がされ、ベッドの下に落とされていた。

 肌触りの良いグレーのシーツの上で、熱い肌を重ね合う。

 月明かりがさす部屋の中で、何度も何度も頭の中が真っ白になりかけた。

 けれど、近衛先生は宣言通り、私に休む間は決して与えてくれなかった。


「せ、先生……もう、ダメ……っ」


 思わず背中に手を伸ばせば、目尻に優しいキスが落ちてくる。


「……先生、じゃないだろう?」

「んん……っ、あ……っ。と、とお、る……?」

「ああ、よくできたな。だけど……百合にそう呼ばれるのは、想像以上にクる、な」

「あ……っ!」


 次の瞬間、ひときわ昂った力強い熱に、貫かれた。

 反射的に身体を弓なりにした私は、与えられる激しい刺激に今までで一番甘い声を上げた。


「百合……好きだ……っ」


 それまで散々、私の身体を弄んでいたのに。余裕のなくなった声で名前を呼ばれたら、愛おしさが胸にあふれて、たまらない気持ちになった。


「百合……っ」

「透……。私も……っ、私も、あなたが好き……っ」

「え……」


 やっと伝えられた言葉に、近衛先生が一瞬だけ動きを止めて、驚いた表情で私を見た。

 
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