エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
『百合、あんた、近衛先生とは一体どういう関係なの!?』
近衛先生が野原食堂を訪れた日の夜。
私は、タツ兄ちゃんとお母さんから酷い質問攻めにあった。
『えー! 百合ちゃん、彼氏できたの⁉ 誰々⁉ イケメン!?』
『いや、それがさぁ〜……』
最終的には、仕事終わりにお店に立ち寄ったタツ兄ちゃんの奥さんまで参戦する始末。
根掘り葉掘り話を聞かれ、散々な思いをした。
『言っとくけど、決して彼氏とかじゃないからね! 近衛先生はただ、お礼にご飯を食べに来てくれただけだし、変な勘違いしたら近衛先生に迷惑がかかるんだから!』
『えー。じゃあ、そのお礼ってなんのお礼なんだよ』
『そ、それは……。そうだ! 前に病院を脱走した患者さんがいて、私がその人を偶然見つけて、それで……』
苦しい言い訳だと自覚しながらも、私は田所さんの病院脱走事件のことを三人に話した。
そして、それを機に、近衛先生とは会えば話をするような仲になったこと。
だから、特に深い仲ではないと説明したけど、三人とも、納得いかないって顔で首をひねった。