エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「ホットココアで良かった?」
到着したのは、中央総合病院に勤める職員用の駐車場だった。
そこで近衛先生はまず、入口に備え付けられた自動販売機でココアとコーヒーをひとつずつ購入した。
そしてココアを私に渡すと再び手を引いて、一番奥まった場所に停められていた黒いレクサスの鍵を開けた。
「こ、これって、近衛先生の……?」
「そう。とりあえず、乗って」
右側の助手席のドアを開けられ、促されるままに私は中に乗り込んだ。
配達用のバッグは足元へ。
それを確認してから、近衛先生は開いていたドアをしめてくれた。
……なんか、近衛先生の車だからかな。
車の中も近衛先生の香りがして、ドキドキしてしまう。
革のシートもしっとりとした手触りで、座り心地が良い。
なんて考えていたら、左側の運転席を開けて車に乗り込んだ近衛先生と目があった。