クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
恋人の始まり
遥人さんのマンションで優しいキスをした後は、彼の手作りパスタをいただいてから家まで送り届けてもらった。
簡単な料理ならできると以前聞いていた通り、キッチンには必要最低限の調理器具や、箱に入った調味料の素などがあった。
パスタのソースも袋から出して電子レンジで温めただけのもの。
ずっと伶香さんの手料理を食べていると思い込んでいた私にとって、それはなかなか衝撃的な光景だった。
機会があったら私が作りますと伝えたらとても喜んでくれた。
昨日の出来事を思い出しながら身支度を整える。
いつもはパンツスタイルなのだが、今日はデートなので遥人さんの前で初めてスカートを穿く。
この白いノースリーブのマキシ丈ワンピースに、麦わら帽子をオンする予定だ。
「お姉ちゃん。この格好決めすぎじゃない?」
リビングで髪の毛をセットしている姉の前にすっと立つ。
「白ワンピに麦わら帽子ね。王道中の王道は間違いないよ。ていうか普通に可愛い」
姉はグッと親指を立てた。