クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
 優しく、それでいて激しく私を求める遥人さんは、最初から最後まで私を労わりながら愛してくれた。

 行為を終えて息が整っていない中でも、遥人さんは私の髪を丁寧にすきながら囁く。

「辛くない?」

「大丈夫です」

 遥人さんは一度頬にキスをしてから、また私の様子をうかがう。

「痛いところは?」

「ないですよ」

 あまりの過保護っぷりに、ついクスクスと笑う。

 そこでようやく安堵したのか、遥人さんは小さく息をついた。

「よかった」

「遥人さんは私に優しすぎます」

「小春が好きだからなんでもしてあげたい」

 遥人さんは目元を細めて、大切なものに触れるように私の唇を親指で撫でる。

 くすぐったくて身体をよじると、大きな手のひらは私の頭へ移動した。
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