クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
エピローグ
 
 暑さがやわらいできた九月下旬。私たちは当初の予定通り一年後に結婚式を挙げた。

 私の小柄な身体を包んでいる純白のドレスは、陸さんがぜひ着てほしいと希望していたクレアのウエディングドレス。

 背の低い女性は定番のAラインドレスが似合うのだけれど、クレアのドレスはマーメイドラインと呼ばれるボディラインにぴったりと添ったものだった。背中が大胆にあき、裾が広がっていて大人っぽい雰囲気がある。

 ハートネックにはビジューがたっぷりと飾られていて、歩く度にキラキラと光り輝くのが私のお気に入りだ。

 正直このドレスは絶対に似合わないと気後れしていた。

 けれど、『小柄でも身体にフィットすれば似合うから』と遥人さんが豪語した通り、背の低さなど気にならなくなるほど綺麗なシルエットに仕上がった。
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