クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「やっぱり家族っていいよな。子供がいるだけで場が明るくなる」

 カードゲームで負けた結愛が悔しくて怒りだしたり、結愛の大声に驚いた桜輔が泣きだしたり騒々しかったけれど、楽しい時間はあっという間に過ぎた。

 小春が手にしていたカップをテーブルに置く。

「あの、遥人さん」

 真剣さを滲ませた顔で俺を見据えた小春に、どうしたのだろうと目を瞬かせる。

「まだ可能性の段階なので、報告するか悩んだんですけど」

 ふう、と深い息をついて小春は背筋を伸ばす。

「生理が遅れていて……」

 瞬時にこれから告げられる内容を理解して、ごくりと唾を飲み込んだ。

 心臓がバクバクと大きな音を響かせ始める。
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